アメリカ爆笑旅行 vol. 12

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つづき

翌朝の朝食はこの旅一番の美味しい朝食だった。Yも私も感動していた。この宿が人気なのも理解できた。特にスープとスパニッシュオムレツとパン、そしてコーヒーがアメリカにしてはものすごく美味しかった。中庭にはカラフルな花が咲き乱れ蔦が建物にも絡まっていて、石畳も壁も扉も、全てが私の好みだった。ここで暮らしたいと本気で思ったくらいだ。

チェックアウトのときに、管理人が昨夜のお詫びと言って、料金は一部屋分でいいですよと言い出した。アメリカにしては信じられない対応だった。私は日本人の粋な姿を見せようと「ありがとうございます、でも、二部屋を利用したので、ちゃんと支払いますよ。親切に対応してくださって、本当に嬉しかったです」と優等生のように述べた。すると管理人が「調べてみたらあなたは初めから二部屋を予約されていたのに、予約サイトからの連絡にミスがあったみたいなの。ほら」と一枚の紙を見せてくれた。管理人のせいではないし、素早い誠実な対応をしてくれたので何の不満もなかった。そして2人分を支払い「また来てね」と笑顔で見送られその宿をあとにした。本当にこの宿を全ての人たちにオススメしたい。常にほぼ満室なのも頷ける。

宿を出た後、コインパーキングに車を停め、有名なサンタフェ広場を中心に散策をした。乾いた風、澄みきった青空が心地よい。建物の軒先には、健康や幸運を願う『リストラ』と呼ばれる色鮮やかな赤唐辛子の束が吊るされ、手作りアクセサリーなどの露店がずら〜っと並んでいる。

Yのヌード撮影はさすがに叶わなかったが「サ〜ンタ フェ!」といちいち口ずさみながら街角で軽快に写真を撮りまくった。被写体Yは疲れて広場のベンチに腰をおろすと、またボーっとし始めた。この旅一番の放心状態である。なんだかサンタフェがつまらなそうだったので、さらに北上したところにある観光地タオスに行ってみないかと提案すると、時間がかかり過ぎるからいいよ、とYは答えた。面倒臭くなったに違いない。いよいよ明日はニューメキシコ州の州都アルバカーキでこの旅最後の日を迎えるのだが、それに合わせてここサンタフェから少し下る必要があるのに、わざわざ今からタオスまで上がるのは、とのことだった。ニューメキシコに来てからのYのテンションの低さは、こちらも何となく察していたので、タオスは諦めた。じゃあ恐怖のアルバカーキに向かってボチボチ出発しよう。

つづく

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