アメリカ爆笑旅行 vol. 11

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つづき

その後はサンタフェに向かい北上。途中、アリゾナのときからずっと探しても見つからなかった郵便局を幸いにも発見した。巨大で立派な郵便局だ。早速立ち寄り、窓口で枚数分の切手を買い、ラスベガスやモニュメントバレーで買い集めた絵葉書を投函した。家族や友人たちに届くのは恐らく私たちの帰国後になるだろうが、とりあえず『ま、いっか』とあまり気にしなかった。

インディアンジュエリーとラグの専門店を見つけて立ち寄ってみた。そこの店主はかなりラグにも詳しい人で、Yが、ラグを探しているとたどたどしく話すと、どういうのがお好きですかと商品を何枚か出してくれた。それはなんてことない普通のネイティブ・アメリカンぽい幾何学模様のラグで、今まで立ち寄った数々の店でたくさん売られていた柄だった。Yは、そういう柄ではなくて、ストーリーラグというものを探していると店主に話すと、店主は間髪を入れずそれがストーリーラグだと言い切った。結局、Yがストーリーラグ自体を勘違いして探していたのだ。あんなに何十軒も店を見てきて本当に時間の無駄である。店主の思いもよらない一言で、Yはかなりショックを受けていた。結局何も買わないまま旅を終わらせたくなかったからか、Yはそこでラグを買っていた。そしてこの店主からある痛恨の一言を聞いたYは、もっとショックを受けていた。どこの空港から帰るのかと聞かれ「アルバカーキです」と答えると、店主が「アルバカーキ!?あそこはホントに恐ろしい街だから、気をつけてね!外をウロウロしたらいけないよ」と。Yは完全にビビってしまい、アルバカーキに行くことが恐怖になってしまっていた。

夜も更けてようやくサンタフェに到着した。あらかじめ泊まる宿は決めていた。サンタフェ中心地にある小さな可愛らしいB&B(日本で言えば民宿やペンション)で、朝食が手作りで美味しいという口コミと、インテリアがサンタフェスタイルで、室内の壁の色も装飾品も各部屋によって様々なのが特徴の宿だ。

ネットの写真を見ているだけでもウキウキしていた。どの部屋になるのかな、という楽しみもあった。到着が18時を過ぎるとフロントが閉まり誰もいなくなるので、あらかじめ到着時刻をメールしてくれと言われていた。遅くなりそうだったので21時到着予定と返信していた。すると『ポストの中に部屋の鍵を入れた封筒を置いておくから、その鍵を使ってそのまま入ってください』と返信がきて、宿に到着し暗証番号でポストを開けると、ちゃんと封筒と手紙が入っていた。だが、封筒の中には鍵はひとつしか入っていない。二部屋で予約したのに、おかしいな…と思い、Yに話すと「一緒のベッドでもいいじゃん、一晩くらい」と言われた。私はすかさず「ヤダ!Yちゃんと同じベッドでは寝たくない。2人で寝るには狭すぎるじゃん!絶対に一緒になんて寝たくないから!!」と真顔で言うと、Yは爆笑し「だって管理人さんいないでしょ?もう遅いしこのまま休もうよ」と抜かしてきた。管理人は、もし何かあったらいつでも電話して、と、携帯番号も教えてくれていた。ここで真矢みきの囁きが聞こえた。(あきらめないで!)私はためらわずすぐに管理人に電話した。すると管理人は、提携している予約サイトからの連絡で、申し込みが一部屋と聞いてたからごめんなさいね、とアメリカ人にしては珍しく素直に謝ってきた。そして、その鍵は実はマスターキーで、全部屋のドアを開けることができる、一番端の部屋もちょうど空室だから、お友達はそちらを使ってください、と言ってくれた。「実はマスターキー」だなんて、なんだか日本人は信頼されているようで尚更嬉しく感じた。そして、その一番端の広めの部屋をYパイセンに譲り、私は別部屋でゆっくり広々と眠ることができた。Yは、頑なに拒否られたことを出っ歯剥き出しで笑い転げていたけれど。

つづく

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