アメリカ爆笑旅行 vol. 5

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つづき

そしていよいよ再び南下。目指すはスピリチュアルの聖地・アリゾナ州セドナ。まず向かったのは、オーククリークキャニオン。朝食は私が大好きなIndian Gardens Cafe and Marketで大好物のアボカドがたっぷり入ったタコスを注文した。

中庭も店内もサウスウエストな雰囲気で本当に素晴らしい。食べた後は、記念に地元の赤ワインを買ったのだが、なぜか店員に身分証を見せてくれと言われたのでパスポートを見せたところ、若干ビックリされた。何のビックリなのかは不明だが、若く見られたのなら光栄だ。

Yはテイクアウトの飲み物を頼んでいた。そしてそのまま店の向かい側にある、妖精が住むと言われている聖なる小川に降りてみた。小川の小石を触りながら、やはりここでもボーっと2人で川の流れをただただ見つめていて、特にYは、旅の疲れが出てきたのか、魂が抜けたような顔をして、ボケーっと遠くを見ていた。完全に浄化されていたのか。するとYが「これ良かったら少し飲まない?ストローに口付けちゃったけど」とドリンクを渡してきた。Yが口に付けたものなどいつもなら必ず断る私が、その時はなぜかすんなりと「ありがとう」と言って、Yのストローに口を付けて飲んでしまっていた。それを見たYが「えー!!今まで散々汚いから絶対に飲まないなんて言ってたのに、どーしちゃったの?まさか早速セドナ効果出たの?」と驚いていた。私もなぜあの時、Yのドリンクをうかつにも飲んでしまったのかは全くわからない。魔がさした、とはこういうことなのか。謎のままだ。おそらく私もいつの間にか聖地巡礼中に浄化されていたのかもしれない。

そしてその後は超有名観光スポット、カテドラルロックまで移動し、赤土の巨大な岩山を目指して徒歩で散策。川の水も澄んでいて澱みがない。至るところになぜか小石が積み上げられている。何かの儀式なのか?と思い、私たちも真似をして小石を積み上げ始めた。聖地だというのに不謹慎な話で盛り上がる二人。シャシャシャーだのカッカッカーだのYは歯を出して笑ってばかりいた。10月で天気にも恵まれて、ひなたにいると暑かった。かなり歩いて疲れてきたので、木陰で休みながら、のんびりと過ごした一日だった。

翌日は、またまた超有名観光スポット、ホーリークロスチャペルへ向かった。駐車場は満車状態、数十分待ったのち、空いたところに素早く停車させ、外に出ようとしたら、そこに停めようとしていたアメリカマダムが、文句を言ってきた。「そこは私たちが停めようとしていたところよ!」と。私は興奮し「私たちの方が先に到着して、空くのを待っていたから、ここは私たちが停めるスペースだ!」と言って、何度言われても絶対に譲らなかった。すると、そのマダムは、不服そうな顔をしたが、結局譲ってくれた。

やれやれ、日本人を舐めんなよ、と思い、車から降りると、今度は別の全く関係のないマダムが、ものすごい剣幕でまくしたててきた。「あなたたちは、無礼よ!そこはあの人たちのスペースでしょ」と怒鳴ってきた。先に入ってきて空くのを待っていたのは私たちだったので、私も負けじと激しい口調で言い返してみた。順番の概念がそもそも違うのか?万国共通ではないのか?と頭をかすめたが、関係ないマダムにごちゃごちゃ言われて腹が立ってきて、言わせたまま放置してさっさとチャペルに向かった。この件は明らかに案内人が悪いと思った。彼は駐車場にただ座って交通整理などしていなかった。一言何か彼に言おうと思ったが、男の人だったのでやめておいた。

神聖な場所で朝から口喧嘩をし、気分が悪くなったが、気を取り直してチャペルの中に入った。Yは一連の口喧嘩を側でオドオドしながら黙って見ていた。「なんて言ってたの?」と聞いてきたので、やりとりを全部話してみた。そしてYは一言私に向かってこう言った「オーククリークで浄化されて私のストローで飲めるくらい天使になったのに、なんで急に悪魔に戻っちゃったの〜〜!?」と。言っておくが、Yは一切何も助けてくれなかったのに、口だけは相変わらず達者なのである。

ホーリークロスチャペル。めっちゃおごそか〜な雰囲気。薄暗い室内に窓から自然光が降り注ぐ。日本にあったら恐らく乙女たち憧れのウエディングチャペルのひとつになるだろう。あ〜ぁ…心が洗われるぅ〜。礼拝場の中を隅々見ていると、何か強烈に突き刺さる視線を背中に感じ、ジャッキーチェンのマネで素早く振り返ると、さっきのマダムが私を睨みつけていた。「しつこいなァ」ボソッと呟き、ビーバップ並みに睨み返してあげた。マダムは黙って仲間と歩き出した。私はなぜかニヤニヤが止まらなくなり、外に出てみると、今度はまた面白いものを見つけた。コインがたくさん投げられている小さな緩やかな滝のようなところがあった。ちょうどそこでコインを投げて、お祈りしている人たちがいた。それを見つけた私は、すかさずYを呼び寄せ「ここでお祈りしたら何かいいことあるかもよ」とYに言った。単純なYは、はしゃぎながら財布から小銭を取り出し、チャリーンと放り投げると、なぜか手をパンパンっと叩いてそのまま拝んでいた。アメリカのチャペルなのになぜか神社参拝方式で。一連の様子を動画に撮っていた私の手はプルプル震えていた。

つづく

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